#265 SR400 Custom Report
すべてお任せのオーダーでした。70年代のチョッパースタイルを標榜にし、18cmロングのボルトオンハードテールキット化したフレームに、35cm延長したロングフォークを2°レイク、2cmナローのトリプルツリーでセット。フロントホイールは純正を幅詰め加工しノーマルブレーキを使用しています。フレームに溶接取り付けしたガソリンタンクやテールランプのモールディング、モケット切り返しのシートやシッシーバーなど各部70‘sらしい外装類で制作です。
車体周りのディメンションは以前に制作した『№252 SR400』と同じく重心バランスや、オートバイのハンドリングを大きく左右するトレール数値の設定変更など、特に乗りやすく疲れにくい走行性能を重視した設計です。チョッパーにありがちなクセの強いハンドリングはほぼ皆無で重さを感じず片手でも安全に操作、走行できるニュートラルなハンドリングに。また車体の中で1番重い重量物であるエンジン(クランク)の位置をできるだけ下げることにより、車両の押し引き時や走行中でもフラつきにくく安定し、車両が軽く感じ曲がりやすい設定に変更。体重を分散させるステップ位置や全関節が適度に曲がりロングツーリング時にも体が痛くなりにくく疲れにくいポジションなど、ロングフォーク/リジットフレームカスタム車のネガな部分を排除し楽しく乗れる乗り物として仕上げさせていただきました。
ボンドワークによるモールディング、パープルのマーブライザーにサイケデリックなフェードパターンのペイントは京都の『P.H.K』さんにお願いしました。
【車体のディメンション】
『ハードテールの曲げ加工』
赤丸部分の曲げを通常のレギュラー品よりも大きく曲げることで車高が下がり、よりシート高の低いチョッパースタイルの黄金比的シルエットに変更。
『エンジンの置き位置、重心のバランス』
上記の曲げ加工によりバイクの総重量の中でも1番重いエンジンのクランクシャフト位置を前後ホイールのアクスル軸の直線上より低く、吊り下げるイメージで制作しています。重心が下がることによりバイクを起こすときや押し引きがかなり軽く感じ、フラつきを軽減、走行安定性も大きく向上、ハンドリングも軽く、バツグンに扱いやすくなります。
『2°レイクトリプルツリー』(特注2cmナロー)
赤線部分が示すバイクのハンドリングの重さを決定づけるトレール値。リアローダウン、ロングフォーク時に値が長くなりハンドリングが重くなります。その長くなったトレール幅を2°レイクトリプルツリーで絞り、ノーマルと同等以上のニュートラルな軽さにハンドルの重さを補正しています。高速走行時でも安定しつつ、片手でハンドルが切れます。
※画像をクリックしてください
このルックスながら、定期的な車検を考慮しメインフレーム(ネック、エンジンクレードル部分)に手を入れず、リアはいつも通りのボルトオンハードテール(スイングアーム、リアショック仕様の戻せます)、ノーマルブレーキを使用することで大掛かりな戻し整備は必要無い仕様となっています
【ベースになったSTDハードテールコンプリート サンプル車はこちら】
【HOTROD CUSTOMSHOW 2022【フルカスタム紹介】出展のチョッパー詳しく解説】
【走行動画】
Custom List
Frontハンドル、Fフォーク、ヘッドライト etc.
●トレール値を確保するためにすこしフォークを寝かせる2度レイク2cmナローのトリプルツリーで35cmロングのフロントフォークをセット。ロングフォークとは思えないほど軽やかなハンドリングになっています。幅が狭くなり収まりきらなくなった純正フロントホイールもナロー加工で取り付けし、ワンオフ製作のサポートブロックでドラムパネルを保持しています。ハンドルはワンオフ。ステップのジョッキーシフト化でクラッチレバーが付かないシンプルな仕上げになっています。
【フロントフォーク周り】
〇高品質なステンレス製のフォークジョイント。
〇より安全にフロントを伸ばすことができるフォークチューブキット。
「2°レイク トリプルツリー」(※特注2cmナロー)
〇走行性能や疲れにくさの補正のためだけでなく、フロントホイールが前方を伸びよりチョッパースタイルを助長するアルミ削り出しステム。ホイール位置のオフセット(トレール幅の短縮)によりロングフォークにありがちな重たいハンドリングを大きく軽減しています。
〇片側1cmづつ幅詰め加工した純正フロントホイール。
〇ブレーキパネル加工、サポートブロックの制作で取り付けです。
※ホイール加工済みですが後に純正ステムに戻したときも使用できるように制作しています。
【ヘッドライト】
〇SRの車格、フォーク幅に良く似合い違和感なく装着できるヘッドライト。ワンオフライトステーで取り付けです。
【ハンドル/ハンドル周り】
「ライザーレスTバーハンドル」
〇ワンオフ製作の直生やしドラッグバー。70‘sチョッパーに散見されたプルバックスタイルで製作しました。
〇ジョッキーシフトによりクラッチレバーが無くなり、アマルスロットルへの変更で通常よりもさらにシンプルに仕上がっています。各ロングケーブルを使用しています
「シャープエンドレバー」
〇ハーレーのナックルヘッドやパンヘッドに採用されていたレバーのレプリカ品を加工流用です。
〇目立ちにくく操作しやすいステム下部にボルトオン加工し取り付けしています。
〇よりハンドル周りをシンプルにするエンジン直づけのデコンプレバー。
【フロントウインカー】
『ミクロウインカー』(廃盤 ⇒ 現在は『公認スタービーンズウインカー』にモデルチェンジしました)
〇超小型のミクロウインカーをエンジンマウント下部前側に取り付けです。
【スピードメーター】
〇目立ちにくく視認性の高いガソリンタンク左前側にマウント。
Centerタンク、オイルタンク、シート、ステップ、マフラー etc.
●リアセクションの『”リジットライン”ボルトオンハードテールキット』に合わせシート下フレームを肉厚鋼管で角度を変更したメインフレームにワンオフ製作のガソリンタンクを溶接。温度の上がるオイルインフレームと冷たいガソリンタンクを直接溶接せずに、それぞれに貼ったパッチを新たな板金部材で繋いで中空化。ほぼ永久的にクラックが入らず安全で長く使える手法で取り付けしました。(こちらの方法です)
【ガソリンタンク】
〇『チョッパーらしい取り付け位置に安全な取り付けでセット』。モールディング、ペイントは『P.H.K』さんによるものです。
【ステップ/シフト】
「ミッドフォワードジョッキーシフトキット/クローム」(試作品、市販化決定)
〇通常のミッドハイよりも長身のオーナーにおススメするミッドフォワードのラクな乗車姿勢そのままに、タッチやストロークなど操作感にこだわったジョッキーシフトキット。
※ハンドクラッチの『ミッドフォワードステップキット』はこちら
「シフトノブ」
〇アンティークドアノブのレプリカ、ガラス製シフトノブに変更です。
【キャブレター】
〇遅いSRが激変します。鋭く伸びやかな加速で始動性も良好、扱いやすいキャブレターです。
〇プラスチックの赤ファンネルからアルミに変更、ステンレス製のゴミよけネットのセット。
〇FCRキャブレターをSR400/500にガッチリ固定する専用アダプターです。
【マフラー】
〇根本の口金に便利な製作キットを使いワンオフ製作。アップスイープのドラッグパイプです。
【シート】
「ワンオフコブラシート」
〇本革とベロアの切り返し、70‘sスタイルで製作です。
【エンジン】
〇腰上をセラコート、カバー類をバフポリッシュし外観をクリーンに、内部はオーバーホールしながら組み立てしました。
【キックペダル】
〇アルミ鋳物で製作されるXX KICKERを使用しました。
【電装】
『ウインカー/ホーンスイッチ』
〇通常ハンドル左側に装着するスイッチ類、今回は乗りながらでも操作できるシート左下に取り付けです。
〇CDI以外のすべての電装類をエンジンのクランクケース後部に集約しています。車体の左右どちらからでも両手でアクセスでき整備性良好、車検の際スイングアーム仕様に戻しても組み替える必要は一切ありません。
『バッテリレッサー』
〇純国産で製作しているバッテリーレスキットです。
〇LEDウインカーにも難なく使える1~150ワット対応のワイドレンジウインカーリレー。純正リレーにリプロとしても使用できます。
【駆動系】
〇スチール製で耐久性の高いリプレイススプロケットです。
【エンジン周り】
『アイボールロッカーボルト』(試作品、市販化決定)
〇エンジンヘッドをクラシカルに演出するオイルラインのユニオンボルトです。
〇純正エアクリーナー取り外しの際に必要なフィルターキットです。
Rearフェンダー、リアショック、スイングアーム etc.
●通常よりも曲げ角を大きくし、よりローダウン、エンジン位置を下げた『”リジットライン”ボルトオンハードテールキット(特注18cmロング)』。アクスル部にガゼットを追加しチョッパーらしいモールディングを追加しました。リアホイールは16インチ化。フラットフェンダーに定番のDUOテールを取り付け、こちらもモールディングで仕上げシンプルな短めのシッシーバーを追加しました。
【ハードテール】
『”リジットライン”ボルトオンハードテールキット』(18cmロング 、ロングフォーク用 受注販売)
〇その名の通りのボルト/ナットによる脱着式ハードテールキット。純正フレームのシートレールを造りなおしてリジットライン化します。車検時やスタイル変更時にスイングアーム/リアショック仕様に戻すことができます。(この車両のハードテールはフロントのロングフォークに合わせて通常よりも車高が下がるように加工してあります)
【リアホイール】
〇一般的なハーレーと同サイズになり迫力が出るキットです。
〇幅広になったタイヤとの干渉を避けるドリルドデザインのトルクロッドです。
【リアウインカー】
『ミクロウインカー』(廃盤 ⇒ 現在は『公認スタービーンズウインカー』にモデルチェンジしました)
〇超小型、強力LED仕様の極小ウインカー。
〇~6mm取り付けウインカー用溶接ステー。
【リアフェンダー】
「フラットフェンダー」
〇定番のフラットフェンダーを安全に6点マウント。DUOテールランプをモールディング取り付けです。
【シッシーバー】
「ワンオフシッシーバー」
〇短め、シンプルに制作しました。
※Parts Referenceは類似商品または追加工された商品が表示されている場合がございます。